ブロックチェーン技術の最前線。開発現場は「飽きることがない」
暗号資産の取引をはじめとする新たな金融システム領域で存在感を増す、デジタルガレージグループのCrypto Garage(クリプトガレージ)。ブロックチェーンに関する新技術が目まぐるしく誕生する中、安定したサービス開発を支えているのが多様なバックグラウンドを持つエンジニアだ。開発の最前線に立つ松澤 康太は「職人のように専門性を磨き、プロフェッショナルとして現場に立ち続けたい」と話す。
システム開発会社でエンジニアとして13年以上勤務し、在職中のCrypto Garageへの技術者派遣を経て2019年にデジタルガレージへ転職。金融事業者間の暗号資産の決済サービス「SETTLENET」開発を担当するなど、サービスの根幹を支えるシステム開発や運用を手がけている。
レベルの高い環境で、多様な技術を磨き続けるために
前職はシステム開発の会社で、13年以上エンジニア一筋で勤務してきました。組み込み機器向けのソフトウェア開発や認証デスクトップアプリ開発など、様々なアプリケーションの開発に携わってきました。その会社からの技術者派遣で、2019年からCrypto Garageへ派遣されることになりました。
実際に現場で働いてみて、エンジニアとして同程度以上のレベルの方が多い上、技術の方向性が多様で、学ぶことが多い職場だと感じました。これまで携わったシステム開発ではどうしても安定性を求めて古い技術を使うことが多かったのですが、Crypto Garageでは比較的新しいプログラミング言語や技術を積極的に取り入れていたことが印象的でした。職場の雰囲気もよく、技術者同士のコミュニケーションも取りやすいと感じました。
その後会社の方針が変わり、Crypto Garageへの技術者派遣をやめて若手技術者とともに別の会社へ派遣するという話が出ました。私としては技術者のレベルが高い環境で働きたいことと、何よりもまだ開発途中だったCrypto Garageでのプロジェクトをやり遂げたいという思いから、転職してCrypto Garageに社員として加わることを決めました。
技術者派遣のときから担当していたのは、仮想通貨のトランザクションを作るためのライブラリ開発です。金融系サービスの開発経験はありませんでしたが、この開発を通じて、使っている暗号やトランザクションの構築方法など業務で必要となる基本的な技術を学びました。前職の組み込み機器向け開発と重なる考え方もあり、クリプト(暗号)関連の開発の面白さがわかった印象深いプロジェクトです。
フィンテック、web3。最新技術の習得に終わりはない
入社後は主に、金融事業者間の暗号資産の決済サービス「SETTLENET(セトルネット)」の開発に携わってきました。例えば暗号資産の取引所同士がビットコインを売買する際に、売買の取引を同一トランザクションで決済できるようにするサービスです。このサービスができることで、よりトラブルのない安全で信頼性の高い取引が可能になります。SETTLENETはローンチ後もメンテナンスを続けており、改善点が色々ある状態なので、技術者として飽きることはありません。個人の裁量が大きい環境なので、改善したい点を上司に提案しながら自主的に動いています。
プロジェクトで使用している主な技術は、バックエンドがGolang・gRPC・REST、フロントエンドがTypescript・MaterialUI・React(Next.js)、インフラがTerraform・kubernetesなど。その時々で最適なプログラミング言語やツールを使うことが多く、PythonやRustを使うこともあります。私が担当しているのは基本的にバックエンド・フロントエンドになりますが、入社後にプロジェクトで見て学んだり、自分で勉強したりして身につけた技術が多いです。エンジニア同士で教え合う環境もあるので、金融分野の経験が全くなくても、自身のやる気次第で技術をどんどん習得していくことができる環境だと思います。
会社としては現在、web3事業に注力していく過渡期にあります。web3事業では、(金融以外の)様々な業種の企業でブロックチェーン技術を使ってもらうためのサービスを開発しています。例えば、ブロックチェーン上の鍵管理をよりシンプルに行うことができる企業向けサービスの開発に関わっています。企業がweb3関連のサービスを作る際にこのツールを搭載してもらうことで、サービス開発が容易になることを目指しています。技術者としても、より広くブロックチェーンを使ってもらえるような技術開発に取り組んでいるところです。
社内のイベントとしては情報共有会があり、月一回程度、希望者が今注目している技術をリサーチして発表しています。直近ではイーサリアム系の「zkSync」など、ブロックチェーンで秘密情報を明かさずに証明ができる技術「ゼロ知識証明」を用いたシステムについて発表がありました。私自身新しい技術を覚えていくことに興味があるので、いい環境だと思っています。情報共有会にはデジタルガレージのエンジニアも参加することがあり、逆にデジタルガレージのシステム開発・運用を担う部署が主体のライトニングトークにこちらから参加することもあるというように、会社や所属を超えたエンジニア同士の交流もあります。
協調性と自発性の高い「職人」が集う、自由な雰囲気の中で
社員は協調性のある方が多く、何か問題が起きてうまく動かないときにSlackで相談すると、他のプロジェクトの方であってもコメントをくれたり、問題解析を手伝っていただけるなど、問題の解決を手助けしてもらえます。経歴が多様でそれぞれの得意分野が違うため、うまく行かずに困った場合にも得意な方に相談することができます。私は普段リモートワークが中心ですが、出社するとビジネスサイドやオペレーションの方ともコミュニケーションを取りやすい環境となっています。
Crypto Garageやデジタルガレージがweb3事業に注力していく中で、今後ブロックチェーン自体の利用がもっと増えていけばいいなと期待しています。開発側としては暗号資産やweb3を取り扱いやすくしていきたいです。利用者が増えるということは、作ったものを使ってもらえるということ。フィードバックをもらって改善することができるので、面白い時期だと思います。
自分としては今後も現場で職人のように専門性を磨き、興味のある技術を伸ばして、プロフェッショナルとして現場に立ち続けたい、「エンジニア一筋」でいきたいと思っています。そして、なるべく何についても興味を持つエンジニアでいたい。開発者として雑な仕事をせず、プロジェクトをよりよい方向に進めることで、それが結果としてビジネスを回し、社会のためになっていければいいなと思っています。
Crypto Garageのエンジニアはそれぞれが主担当となるプロジェクトを持ち、自由度が高い中で自ら考えて動いています。作りたいサービスの大きな方向性が与えられたら、それを設計して自発的に動き、開発を進めていけるようなエンジニアが向いていると思います。もし転職を考えている人がいたら、尻込みする必要はありません。学び合う環境も充実しているので、技術への好奇心や興味が強い方におすすめしたいです。